利活用技術活用指導者育成事業ジビエ活用技術研修会

T主

2010年03月10日 22:30

なんとも長ったらしい名前の研修会に参加してきました。
2泊3日の研修でしたが、終わってみればあっという間の時間でした。

初日は仕事の関係で、2時間の遅刻で参加となりました。
はんてぃんぐねっとしゃちょ~さんも参加いただいて、
大暴れしてきたわけですが・・・

主催者側の講師に、しゃちょ~さんの教え子というか、
狩猟指導を受けた二人がいました。
私もこのお二人とは、昨年のこの研修会で始めてお会いして
有意義な語らいをした思い出深い二人です。
それから講師陣は、H大農学部教授のK先生、G大獣医学部教授のS先生、
R大自然環境学部教授(予定)のI先生などなど・・・
これにエゾシカ協会のIさんなど、個性豊かな面々でした。

私的には、S先生とG先生の話を聞けるだけでも、満足な時間なんですが、
参加者のS大学K君やF社の沢君と綾子ちゃん達と
毎晩飲み明かせたことも、大変有意義な時間でした。
二日目の懇親会には、nonnさんも駆けつけてくれて、
役者は揃った感じがありました。

さて、研修内容ですが、
エゾシカの爆発的増加の原因や、歴史的な背景
諸外国での先進事例など、指導者としては最低限知っていないと
エゾシカを語ることも烏滸がましいと言われる、基礎的な座学から
猟場に出ての捕獲実演、解体実演、個体の年齢判定や栄養状態の把握など
研究者並みの内容でした。

ま、ここまでは5年前から変わらない部分ではありますが、
二日目にはエゾシカ肉を使ったお手軽アイディア料理の実習
抜骨実演も初の試みとして実施されたのですが、
準備不足という感じが否めなくて、少々がっかりしてました。

しかし、最終日には・・・
お待ちかねのS先生とK先生の、濃い座学研修です。
内容はこれからの有害鳥獣捕獲体勢の整備に欠かせない
理論武装のための内容であり、仮想される誤った保護思想に対する
学術的な角度や歴史的な背景を研修した。

歴史的な事を湾曲解釈したり、揚げ足取り的な解釈により、保護を訴える思想が、
どれほど危険なのか理解できたし、私が仲間とすすめるアプローチが間違っていないことも
確信できた。
保護というのは、適正な数の個体数を維持することであり、爆発的に増加をし続けるエゾシカが
もたらす経済的な被害や失われる人命を考えると、駆除ではなく個体数コントロールと呼ぶべきであり、捕獲された個体を利活用する資源として位置づけを確立していくことが急務であるが、
政府、行政は予算額からも分かるとおり、それを本腰を入れてやる気はないようだ。
しかし、被害をどんどん増加させて、多くの人命を失ってからじゃないと重たい腰を上げないだろう。
この実態から目を背けるように、薄っぺらな施策しか持たない。
もっともっと鹿が増えて、喜ぶのはハンターだけなのにね。ハンターのために獲物を増やしてくれているようなものである。

特に国定・国立公園や保護区での爆発的増加は、本来保護されるべき種子を、絶滅させてまで、エゾシカを養っているような状態であることを、何度も警鐘を鳴らしているのに、その実態すら見て見ぬふりをする。貴重な植物には命は無いというのだろうか・・・
結局、保護区内では繁殖が繰り返され、どんどん人里へ下りてくる状況で、獲っても獲ってもきりがない状況と、エゾシカの学習能力の高さと、環境適応能力でさらに他の場所へ行き繁殖を繰り返す。終わりのない戦いが続く原因を放置したままで、狩猟者に捕獲を丸投げしている。
おもしろいのは、その狩猟者へ報償をやりたくない主張をしていた某国会議員が、鳥獣被害防止対策事業が【事業仕分け】にあがり、他に変わる方策として、自衛隊の導入をとの意見に、それは出来ないと言っていたことだ、だったら一体この現状をどうしろと言うのだろう、そしてどうしたいのだろうか・・・

私のような末端の一ハンターが言っているのではなく、国立大学教授が学術的にも歴史的にも検証した上で、対応策を授けているのに、現場に行ったこともない議員が、まるで臭い物に蓋をするかのように、この問題を闇へ葬ろうとしている。その裏にはびこる政治と金の公式の世界があることを、我々が知らないとでも思っているんだろうか?

誰が何と言おうと、私は野生動物との軋轢を戦う所存だ。戦いそれを資源と出来るシステムを
世に構築したいと考えている。命を粗末には出来ない。増えた原因を作ったのは、現場に足を運ぼうともしない、最高決定機関に生息する議員なのだ。エゾシカが人間に悪意を持って増えたのではない。
恥ずかしながらそんなバカな議員と同じ人間である自分が情けないから・・・共存できる適正な個体数になるように、私はライフワークとして、この問題に携わりたいと考えた研修会となった。


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